海外製の低価格スリングと純国産ベルトスリングについて

海外製の低価格スリングと
純国産ベルトスリングについて

2種類の価格帯がある理由

インターネットなどでベルトスリングを調べると、あからさまに金額が安いベルトスリングが楽天やYahoo!ショッピングなどで販売されているのが目に入ります。2種類の価格帯です。

それらの多くは中国をはじめとする海外からの輸入されたベルトスリング。
そこで今回、全ての製造工程を国内で行う純国産ベルトスリングとの差をご説明します。

※この記事は、メーカーさま、代理店さまから実際の声としていただいたアンケートをもとに作成しています。ご協力をいただき、本当にありがとうございます。

※モノツールで取り扱うベルトスリングは全て純国産のベルトスリングです。
輸入品は取り扱っておりません。

低価格なベルトスリングの抱える問題

品質基準の差と縫製・製繊(せいしょく)のクオリティ

日本製だから良品、海外製だから粗悪品とは一概に言うことはできませんが、JIS規格品の安全率6に比べ安全率が低いなど、海外製の場合、日本とは異なる品質基準が現実として存在しています。そのため国内メーカーでは品質的に発送不可な製品も、海外では発送可能(できてしまう)な製品となることがあり、トラブルの原因になるケースも少なくありません。

また、製品自体の品質にムラが存在します。
ベルトスリングの場合、縫製や製織が非常に雑な場合が多いのが特徴です。縫製が必要以上の余計な箇所まであるもの、また必要以下で縫製が不足している箇所が多く出ることにより、吊具としての品質が保たれないのです。これは破断強度にダイレクトに影響し、スリング断裂による事故のリスクが上がります。

安価に抑えるために、縫製のスピードを上げたり、ベルトの目付を落としているので(m辺りの糸量が少ない)、ベルト自体が薄く、強度不足・強度劣化が激しいものが多くなります。

他にも、長さの精度が悪い場合、2本吊りの際にバランス良く吊れない可能性があったり、使用限界表示(シグナル)が無く、廃棄の基準が判りにくいものも存在します。

良く知られている大手通販会社が中国製の安価なスリングを扱っていた頃に、『中国産のスリングは事故が多く扱いづらい…』と相談を受けた国内メーカーもあります。

ベルトスリングで木材を吊り上げあ

命に直接かかわる重要な道具だから

国内メーカーのベルトスリングで共通している部分は、『いかに事故が少なくなるよう、安心安全に重きを置いてスリングを作っている』ことです。

スリングによる事故は最悪のケース、人が亡くなってしまいます。表面化していないスリングによる事故はかなりの件数で起きているのです。

中国産ベルトスリングによる事故が起こった際、メーカーからの言及はほぼ無い為、原因究明が困難で、同じ事故を再び繰り返す可能性があります。補償やクレーム対応をしてもらえません。

『極端ではありますが』という枕詞付きですが、中国製のベルトスリングの使用を検討しているお客様には、「本人または従業員が亡くなっても良いと思っているのなら、中国製ベルトスリングを使ってください」と言及される方もいらっしゃいます。

純国産ベルトスリングだから成せること

純国産・日本製ベルトスリングの価値

モノツールで取り扱うベルトスリングは全て純国産のベルトスリングです。『国産メーカーのベルトスリング』は、世界で最も強く、切れにくく、どの国のモノよりも安心して使用することができます。またそれらのクオリティは日本のみならず、諸外国から見ても高品質と認知されているのは間違いなく事実です。

耐摩耗性の強さ、寸法の精度、しっかりした検品体制にこだわり、引張試験成績書の発行対応も可能です。さらにベルトの破断等、何かあった時に早急に対応してくれます。

品質基準や風土の違いもあると思いますが、安定した製品を生産する土壌が、日本と比較すると完全には出来上がっていない現状のようです。

日本製のベルトスリング

全ての国内ベルトスリングメーカーが、クオリティの高さを重視した生産、高品質で安定した製品をお届けするために、安全ライン、使用限界表示、ベルトの厚み、製織や縫製の工夫、特注・別注の対応、納期、安定した供給、検品作業等を、常に心掛けてモノづくりされています。

事故の危険性を訴え啓蒙する重要性

ベルトスリングは既に一般化した商品で『消耗品』のイメージがありますが、常に危険が伴う、『何かが起こってからでは取り返しのつかない現場』で使用される製品です。それ故、作業者にとって実績・信頼のあるメーカー品を使うことは危険作業に対する心理的負担を軽減させてくれます。

ベルトスリングの安全性について

信頼の担保としてベルトの種類・サイズの選定から吊り方のアドバイスなど、製造・販売だけで終わらず、現場作業の危険回避、効率化のための専門メーカーとして各社取り組んでらっしゃいます。

それでも国産ベルトスリングによる事故は起きています。
その殆どは、使用された方の玉掛け及びベルトスリングについての知識が欠如していたのが原因であり、ベルトスリング自体に欠陥があったケースは稀です。

ベルトスリングの知識普及とともに、事故の危険性を訴えて啓蒙することに重きを置く必要があり、これこそが長期的に見て、メーカー、代理店、エンドユーザーの総てを継続的に守ることに繋がると確信されています。

編集後記

各メーカーさまから届いた『リアルな言葉』を読みながら、もはや技術やプライドを超えた『倫理的使命感のような何か』を感じました。さすがに命に直接関わる道具を創られている方々です。

SDGs(Sustainable Development Goals)にあるように、携わる全ての方が安心安全であり、そして継続し、新たなモノを創成していくために、絶対的に不可欠な揺るぎない核に触れたような気がします。

協力:株式会社丸善織物 豊彰繊維工業株式会社 株式会社テザック

By | 2020-07-02T16:56:48+00:00 7月 2nd, 2020|News, ベルトスリング|